ユニットバスの床は補修できる？ひび割れの原因と劣化のサイン
ユニットバスは、工場で作られた部材を運び込み、組み立てて作られる浴室です。
そのユニットバスの床にひび割れが発生した場合、補修できるのでしょうか。
ひび割れができる原因や補修の費用目安など、合わせて解説します。
ひび割れの原因
多くのユニットバスは樹脂という素材で作られています。
樹脂は軽く丈夫な素材で、耐水性にも優れています。
ですが、使用し続けると次第に劣化し脆くなるのです。
このような現象を「経年劣化」といいます。
ユニットバスに使われている樹脂が経年劣化を起こすと、樹脂内の水分が減ってきます。
この現象を「加水分解」といいます。
屋外に置いておいたプラスチックがボロボロになってしまった経験を持つ方もいるでしょう。
新品時には固く丈夫なプラスチックでも、加水分解が起こると、強度が著しく低下するのです。
ユニットバスの場合も、加水分解が始まると一気に劣化が進みはじめます。
ちょっとした刺激に樹脂が耐えきれず、ひび割れが発生するのです。
ひび割れを放置するとどうなるか
床にひび割れが起こると、徐々にひび割れの部分から水がしみ出ていきます。
耐水性がある樹脂で作られたユニットバスとは違い、土台は水に弱い素材が使われているかもしれません。
ひび割れ部分から水が浸入すると、土台を傷めてしまう危険があるでしょう。
また、すでに加水分解が進んでいる状態なので、他の部分にもひび割れなどの劣化が発生している危険があります。
最悪のケースでは、ユニットバスの壁内部に水が入り込み表面が剥がれたり、穴が空いたりすることもあります。
ひび割れ箇所や穴から水が入り込むと、土台が傷みます。
浴室の土台だけではなく、家の構造体にまで水が入り込み、家全体が傷んでしまう危険もあります。
集合住宅の場合には、階下の天井に水が染み込み水漏れを起こす危険があるでしょう。
ひび割れなどの本格的な劣化が始まる前に、劣化のサインを見つけ事前に予防することが必要です。
劣化のサイン
ユニットバスの平均的な寿命は20～30年程度です。
住宅建築から20年を超えてきたら、劣化のサインが出てくる可能性が高まります。
また、使い方によっては20年を迎える前から劣化のサインが出ることもあります。
樹脂は紫外線により劣化が早まります。
日当たりがよい浴室や白熱電球を光源として利用している場合は、もう少し早いタイミングと考えるとよいでしょう。
カビが発生しやすい
ひび割れほどはっきりとした割れが起こっていなくても、細かな傷が多数あると、そこにカビが発生しやすくなります。
こまめにお手入れをしていてもカビが発生しやすいと感じる場合には、劣化が進んでいる可能性があります。
黒ずみ
ユニットバスの床材は、排水しやすいようわずかに凹凸が付いている場合があります。
このため、もともとこまめに手入れをしないと汚れが落ちにくいともいわれています。
この汚れを落とさずにいると、やはり劣化も進みやすくなります。
掃除しても落ちにくい汚れが増えてきたら、劣化のサインかもしれません。
ユニットバスの床は補修できるのか
ユニットバスが傷むと「丸ごと取り替えるしかない」と考える人は多いでしょう。
ですが、床にできたひび割れの補修は可能です。
ただしユニットバスの補修ができる業者は限られるため、補修が可能な業者を探す必要が出てきます。
床の修繕方法
床の修繕は部分的に修繕するか、床全体を修繕するかによっても手順には違いが出てきます。
部分的な修繕
部分的な修繕の場合は、ひび割れ箇所に下地としてエポキシパテやGFRP素材を使って下地処理を施し、防水塗料を塗り仕上げます。
下地処理から施工完了までは約3日かかり、費用は10～20万円が相場です。
シートを張る方法
床全体にシートを張る方法もあります。
機能性シートと呼ばれるもので、滑り止め効果や衝撃吸収効果もあるため、子どもや高齢者がいる家庭で選ばれやすい方法です。
シート張りの場合は半日程度で修繕でき、費用も10万円程度からとなります。
修繕と合わせて美装工事を追加する場合には、2万円程度費用が増えるのが一般的です。
ユニットバスを入れ替える
ユニットバス設置から20年以上経過している場合、床のひび割れ以外にも汚れが酷かったり床材以外の部分の劣化も気になったりする場合があるでしょう。
ユニットバスを入れ替える工事は70～150万円程度かかります。
まとめ
ユニットバスのひび割れが見られる場合、構造材などに影響が出る前に修繕する必要があります。
ひび割れ部分だけを修繕したり、床全体に機能性があるシートを張ったりする方法があります。
ただし、ひび割れは床材自体の劣化でも起こります。
床材の劣化が見られるときには、ユニットバス全体も劣化が進んでいる場合があるので、ユニットバス全体を入れ替えることも検討するとよいでしょう。
株式会社REALLでは、ユニットバスに関する補修・工事に対応していますので、ぜひご相談ください。
